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TDBC
WG07_2022_ACTIVITIES

2023.9.1 – e建機®チャレンジ2023 未来の「遠隔操作施工」へのチャレンジと新たな人材創出を目指して

2023.9.1 – e建機®チャレンジ2023 未来の「遠隔操作施工」へのチャレンジと新たな人材創出を目指して

「WG07 遠隔操作・自動化で実現する安全・安心な作業現場と迅速な災害対応」グループで開催したe建機®チャレンジ2023のレポートをお届けします。

e建機®チャレンジ大会の開催目的

目的1
建設機械の遠隔操作技術の社会実装(技術、法令、教育、人材、普及)を促進

目的2
非就労者、未経験者などの就労支援による、建設業界への新しい人材の創出(建設業界の少子高齢化、人材不足の解消)

目的3
建設機械の遠隔操作技術と新たな人材による災害救助、災害復旧支援体制の構築と社会貢献

テーマを、“Challenge to evolution”として、第1回からの進化を見せる大会を目指しました。また、9月1日の防災の日の実施として災害復旧支援としての有効性を示そうと考えました。

第1回からの進化

  1. Distance:距離 70Km⇒400Km
  2. Communication:通信技術 衛星/閉域網/LPWA/屋外Mesh WiFi
  3. Video technology:映像技術 3Dカメラ
  4. Safety technology :安全技術 AI警報装置等
  5. Pilot :プレイヤー 学生/女性/eゲーマー
  6. Co-creation :共創 電力業界との業界を超えた連携

 TDBC事務局(ウイングアーク1st株式会社内)のある六本木の高層ビルから千葉県夷隅郡大多喜町にある一般社団法人千葉房総技能センターの筒森AIセンターの建設機械を操作しました。

地図

開催内容

挨拶

当日は、遠隔操作技能競技に加え、e建機®チャレンジ大会の目的を果たす技術を紹介しました。

・株式会社大林組が開発する自動・自律・遠隔操作建機:デモンストレーションにより遠隔操作技術、安全ガイドラインの適用状況を披露
・ソニー株式会社が開発をすすめている3Dモニター:実用化されることで映像による操作のリアリティ向上の可能性を披露
・災害救助現場におけるレスキュー隊員のバイタルのリアルタイム監視:事前に訓練現場にバイタルセンサーを装着しての訓練の様子を撮影した動画放映によって、災害救助現場の隊員の安全管理体制の向上の可能性を披露
・中部電力パワーグリッド株式会社の安全や映像に関するソリューション:ウェアラブルカメラ、傾斜センサー等を利用して高度な遠隔操作の実現性を披露
・サナース株式会社 スパイダー:起伏や、障害物が多くある災害現場での活躍が期待されるスイス製のスパイダーという建設機械のデモンストレーションを披露


技術紹介

TDBCが目指すオープンイノベーション

下図に示す通り、e建機遠隔システムプラットフォームはオープンイノベーション(共創)のもと、技術を持った企業の共創により実現されています。

遠隔システムプラットフォーム

e建機®チャレンジ2023は2つの遠隔操作システムを紹介しています。1つ目は伊藤忠商事、伊藤忠TC建機、千葉房総技能センター、ARAVが開発しているシステムです。こちらのシステムで千葉県大多喜町筒森の建機の操作で競技を行いました。

大林組

もう一つが、株式会社大林組が開発している自動・自律・遠隔操作建機です。こちらは、六本木会場から大阪枚方にある大林組の西日本ロボティクスセンターの建機を操作します。

大林組

競技の模様と結果について

競技参加は4チームです。2名一組でバックホウの操作とキャリアダンプの操作をそれぞれ行います。

競技説明
操作
操作

参加操作パイロットチーム

  • 建設エキスパートチーム
    丸磯建設株式会社で働くプロの建設機械オペレータ
  • 学生eSportsチーム
    駒澤大学eSportsサークルの所属
  • 社会人チーム
    コンタクトセンター業務企業の社員
  • プロゲーマーチーム
    プロゲーマーであり、1名は建設機械のオペレーションができる方

当日は非常に暑く、建設機械会場の作業は過酷でした。熱中症対策を施し、体調を崩す作業者は出ませんでした。
また、大塚製薬様より「ボディメンテ」をご提供いただき、現場で活用させていただきました。
建設機械会場での作業者のバイタル計測、操作パイロットのバイタル計測も行うことができました。センサーからのデータ送信周期がもっと短くなることでよりリアルタイム性が増し、万一の場合の迅速な対応が可能になります。

競技結果

  • 優勝
    建設エキスパートチーム
  • 準優勝
    プロゲーマーチーム
  • 第3位
    学生eSportsチーム
  • 第4位
    社会人チーム


表彰

e建機®遠隔操作プラットフォームとしての社会実装に向けて改善を続けてゆく

結果として、建設機械のオペレータが優勝しましたが、建設機械のオペレータではない人材でも、少しのトレーニングでプロの熟練の建設機械オペレータに遜色のない操作の実現が可能であるとの実証結果が得られました。さらに、3Dモニターの活用による奥行の把握とデータ圧縮技術の進化による映像データ転送遅延(レイテンシー)の改善が行われることにより、作業品質と作業効率(生産性)が向上し、精密な建設機械のオペレーションが可能になるはずです。今後も改善を行い、実証実験を進め社会実装へと進めていきます。「e建機」を商標登録し将来広くこの言葉が認知され社会と業界が変わることになればと願っています。

最後にe建機®チャレンジ2023へご支援いただいた各社様へ厚く御礼申し上げます。

開催スポンサー様
伊藤忠商事株式会社
矢崎総業株式会社
ウイングアーク1st株式会社
株式会社大林組
中部電力パワーグリッド株式会社
株式会社ベルシステム24

運営・配信等支援企業
株式会社フルハウス 株式会社プラスループ

遠隔機材・会場等その他支援企業様
ソフトバンク株式会社
大塚製薬株式会社
一般社団法人千葉房総技能センター
EP Rental株式会社
伊藤忠TC建機株式会社
サナース株式会社
ARAV株式会社
加賀電子株式会社
ソニー株式会社
株式会社イーエスエス
スカパーJSAT株式会社

国土交通省でも遠隔操作による施工の実現を目指した活動が行われており、TDBCでも協力をしてまいります。国土交通省主催の「遠隔施工等実演会~施工DXチャレンジ~11月20日~11月21日」にもTDBCとしてWGメンバーが中心となり出展し、e建機チャレンジ大会優勝チームのメンバーが招待参加する予定です。
 
TDBCはこのプラットフォームの社会実装を目指し、新たな人材の創出による人材不足と安全な施工、災害支援活動への未来を目指していきます。

集合写真