ドライバーの危険挙動をAIで自動解析、携帯電話やうつむきなど。運輸デジタルビジネス協議会「事故の撲滅/エコ運転」WG活動で無料モニター募集
一般社団法人運輸デジタルビジネス協議会(以下、 TDBC)のワーキンググループ「事故の撲滅/エコ運転」では、 タクシー・トラック・バスなどの安全運転のために、 コストを抑えた様々な仕組みを検討しています。 運行管理者や指導者はドラレコ映像を利用してドライバーを指導し危険運転を抑止していますが、 長時間の映像から危険運転部分を抽出するのは大変な労力がかかります。
急ブレーキや衝突など衝撃によるGセンサーを使った検知では、 ドライバー自身の動作による危険運転を記録することはできません。 近年増えているスマホやよそ見などを指導する必要がある、 という課題が運輸事業者から提示されました。 グループに参加している運輸物流企業に様々なサービスを提供する株式会社タイガー、 画像解析技術やAIを用いたソリューションを提供する株式会社システム計画研究所がそれに応えて共同で新たな機能を開発しました。
中部地区を中心に展開する株式会社フジタクシーをはじめ3社が実証実験に参加しました。 この検証を経て共同開発されたクラウド型ドラレコ管理システム「WEBドラサービスwith AI」の無料モニターを、 限定20社様で募集します。
一般社団法人運輸デジタルビジネス協議会(以下、TDBC)では、運輸事業者の抱えるさまざまな課題を、スピードをもって解決するために、運輸事業者とそれを支援するサポート企業連携によるテーマ別のワーキンググループでの活動を中心に推進しています。
昨年度の「事故の撲滅」ワーキンググループでは、重大事故の原因として社会問題となっている運転中のスマホ利用などの危険運転行為をいかに防止するかについて、メンバーから課題提議があり、その解決策について検討を行いました。これまでは、既存のドライブレコーダーの映像を管理者が膨大な時間をかけ目視で確認し、その内容を乗務員に指導・教育を実施する必要があり、現実的には実施が非常に困難でした。
ワーキンググループメンバーとして参加するサポート企業から、既存のドラレコの映像をAIで分析することで、効率的に、あるいはよりリアルタイムに検知することが可能ではないかとのアイデアが出され、ドラレコに関するソリューションや技術を持つ株式会社タイガーと、AI関連のソリューションや技術を持つ株式会社システム計画研究所が共同開発し、複数の事業者での実証実験を行いました。その成果は、4月25日に開催した「TDBC Forum 2018」で発表しています。
今年度は、共同開発したクラウド型ドラレコ管理システム「WEBドラサービス with AI」を、ワーキンググループとして実用化に向けた更なる機能・性能向上を図っていきます。TDBC会員以外の方々にも広くこの機能のメリットや利用しやすさを体験していただきたく、正式リリース前の無料モニターを限定20社で募集します。
ドラレコを使った安全運転指導の限界
ドラレコには、Gセンサーを搭載し、イベント録画機能に対応した機種が多数あります。これにより例えば、ドライバーの管理者は危険な運転をピックアップし、安全運転の指導・教育に利用するケースや事故があった場合の証拠として活用されるケースが想定されています。
この方式の場合、強い衝撃があった場合(急ブレーキや衝突など)のイベント録画に限定されてしまいます。実際の教育・指導にドラレコの動画を使用する場合、イベント録画だけではドライバー自身の挙動(携帯通話・操作、よそみ)を検知することができないため、膨大な録画データを長い時間をかけて確認してピックアップする作業が必要になってしまいます。
また、ドラレコのデータはSDカード等のメディアに記録されているため、「SDカードを回収する」、「パソコンで読み込む」、「確認する」、「危険運転動画を抽出する」という最低限4つのステップがあり、「指導・教育」が形骸化されてしまうという問題点も抱えています。
「WEBドラサービス with AI」開発の経緯
株式会社タイガー(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:竹添 幸男、以下タイガー)と、株式会社システム計画研究所(本社:東京都渋谷区、代表取締役 門脇均、以下ISP)の共同開発で実現しました。
管理者や指導者の手間を削減し、本来の目的であるドライバーへの教育・指導への時間を充実させて、事故の撲滅を目指すコンセプトで開発したサービスです。
タイガーは、運輸運送会社向けの様々なタイプのドラレコを提供し、多くの顧客の現場で経験を蓄積してきました。 2016年にリリースした「クラウド型ドラレコ管理システムWEBドラサービス」では、専用の通信型ドラレコを用いて、SDカード、クラウド環境のいずれでも録画データの管理が可能となっております。
SDカードの回収が不要になり、危険運転を自動検知した録画データをブラウザ上で確認できるため、管理者の作業を大幅に軽減できるはずでした。しかし、ドライバー自身の挙動についてはデータを個々に目視で確認しなければならないという課題が残ったのです。
ここに、TDBCで一緒に活動していた画像解析・AIのエキスパートであるシステム計画研究所が連携します。
「少ない学習データで画像解析ができるAIエンジン」技術を用いて、タイガーのユーザーから提供された車内動画を元にAIエンジンで学習し、自動解析の仕組みを実現することができました。2017年、フジタクシーでは、このサービスの導入に備えて、WEBドラサービスでリアルタイムの危険動画を、管理者がチェックできる仕組みを実働の営業車で実験中です。
「WEBドラサービス with AI」とは
WEBドラサービスは、「急減速」「急加速」「急ハンドル」「速度超過」などのトリガーで自動判定した危険運転を録画し、 日々の危険運転動画が大量に蓄積されます。これら動画データから、画像解析AIが「携帯通話」及び「うつむき」をピックアップします。従来のGセンサーと連動した危険動画はもちろん、ドライバーの危険挙動の抽出・確認を半自動化し、管理者はこれをドライバーと共有しながら効果的に指導を行うことが可能となります。
今後の展開
本サービスの正式リリースに向けて、今回はAIの精度向上を目的としたモニター募集という位置づけになります。 本サービスに興味のある企業に、「WEBドラサービス with AI」をモニターとして無料で利用していただきます。AIの精度向上を第一目標としつつ、少ないサンプル数で解析パターン追加が可能という特徴を活かし、今後はお客様からの声を集めて「携帯通話」「うつむき」以外にも豊富な解析パターンを随時追加し、正式なサービス提供に繋げていきます。
TDBCでは、2018年度のワーキンググループでもこの取り組みを継続していきます。タクシー・トラック・バス・ダンプなど業種の枠を超えたメンバーが、このサービスの精度の向上や運転指導の現場の視点から、事故撲滅のため活動していきます。
★ モニター募集 限定20社 ★
・名称:WEBドラサービス with AI
・サービス開始日:モニターは9月3日より募集開始
・サービス価格 :未定 モニター期間中(約2ヶ月)は無料
お申込み、お問い合わせは:株式会社タイガー 販売促進部 井上
TEL:03-5283-7232 / Mail:contact@tiger-inc.co.jp
※ご利用には「通信型ドライブレコーダーSamly」と「WEBドラサービス」が必要になりますので、ご相談ください。
※製品のモニターは無料(但し取り付け・取り外費用が別途必要になります)
株式会社タイガー
代表取締役社長 竹添 幸男
所在地:東京都千代田区猿楽町2-1-14
設立:昭和15年10月15日(創業:大正12年5月)
株式会社システム計画研究所
代表取締役 門脇 均
所在地:東京都渋谷区桜丘町2-9
設立:昭和52年11月10日
株式会社フジタクシーグループ
所在地:名古屋市西区秩父通2丁目60番
創業:昭和32年7月